2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

山本学治と造形

ここ二回ほど山本学治さんの論を少し参照にしてきたけれど、氏がどのような人であるのかヒントもないまましれっと引用してしまったので、ここで少し紹介します。 創造するこころ―山本学治建築論集〈3〉 (SD選書)作者: 山本学治,茂木計一郎,稲葉武司,中村精二…

木とコンクリートのはなし2

この前少し書いた大阪城RC造化の古川氏と薬師寺改修の西岡氏との素材に対する異なった見方とは何かということ。それは、当たり前のことだけど、素材の可能性を引き出そうとしているかどうか、ということだ。 造型と構造と―山本学治建築論集〈2〉 (SD選書)作…

木とコンクリートのはなし1

長くなりそうなので(引用が長い)分けて書きます。まず最近気になったこのニュース。今回の話は主に1】。 asahi.com:大阪城 「最先端」のコンクリート製 SankeiBiz:大阪城を歴史テーマパークに 大商が提言 ときに大阪城がRCで再建されたのは昭和6年(1931…

パチンコと公共事業

少なくない数の人がひとところにあつまり、長期的に、絶妙な手首の力加減で淡々と玉を穴に入れ続けるという作業が全国津々浦々で行われており、その出玉によって得られるお金の額が変わる。パチンコだ。そしてこのパチンコと公共事業は結構似ている。パチン…

公共事業

脅威の調査力と強力な論理構成で読む者をグイグイ反開発路線へと巻き込んでいく五十嵐敬喜・小川明雄タッグによる一冊。公共事業にはいかに無駄がおおく、それがどのような状況を引き起こし、にもかかわらずそれが止まらないのはなぜかをグルーヴィに論じき…

建築とアート

保坂健二朗さんがキュレーションを担当された「建築はどこにあるの?」展のカタログに収録されている南後由和さんによる「建築物とインスタレーションの離接運動」という興味深い論考を受けて。 カタログ情報はこちら http://www.momat.go.jp/Honkan/where_i…

READTANK Volume#14 unsolicited architectureレジメ2

前回の続き。今回はエージェン・オースターマン「A profession apart」を参考に、なぜ「求められない建築」つまり「迷惑建築」すなわち「unsolicited architecture」が提示されるのか。 - Q:unsolicited architectureはどのような背景で提示されたのか? - …

技術と人間の哲学のために

技術と人間の哲学のために (人間選書)作者: 中岡哲郎出版社/メーカー: 農山漁村文化協会発売日: 1987/05/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る技術史家(産業技術論者)中岡哲郎による所感集。引用は氏がメキシコを訪れたとき…

READTANK Volume#14 unsolicited architectureレジメ1

「建設から自由な建築」のためにオレ・ボウマンOle Bowmanらが立ち上げた「Office for Unsolicited Architecture(OUA)」によって提案され、Volume14号で集中的に紹介されている「unsolicited architecture」という概念がある。直訳すると「求められていな…