セキュリティもの
- 作者: 浜井浩一,芹沢一也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/12/13
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ロジックとしては結構シンプルであるが、現行のデータの読解を相対化するこの読み取り自体「ひとつの見方」にしかならないのはパオロ・マッツァリーノ氏が『つっこみ力』第二部でも述べているところである。ただナイーヴな読み取りに対してナイーヴに反駁するだけではなく、犯罪者言説の流れをおさえながらの分析は結構面白かった。どこまで納得できるかは別だけど。
- 作者: 五十嵐太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/07/01
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ところで、治安悪化神話によって「過防備」になる結果、防犯カメラが膨大に備え付けられるという論理に少しだけ違和感を感じる。強引ではあるが、ウェブでの「ライフログ*1」みたいな「誰かが(常に)見てくれている/痕跡がすべて残っている自分」に対するアンビバレントな欲望みたいなものもあるんじゃないだろうか、とふと思ってみたくもなる。
またコンビニにおけるログ(記録)の点に関しては、防犯カメラのみならずPOSシステムという曖昧な情報の蓄積なんかも気になるところ。その発展系としてアマゾンの「おすすめ」やグーグルのカスタマイズなんかがある(のだと思う)。防犯カメラの海としての都市が、漸進的にこうした場所になっていかない可能性もない。今都市を考える際、ハードとソフトの曖昧な境界に対する感性が必要になってくるのだと思うし、ポストモダン以降、建築の文脈で真摯にかつ体系的に都市を考える人がいなくなってきた理由もその困難さに由来しているような気がする。