プラットホーム

セカンドライフやミクシといったいわゆる「ソーシャルメディア」の普及によって、ユーザーの「クリエイティヴィティ」が爆発するはずだ!というなんとも牧歌的なお話。本書では「クリエイティヴィティ」を爆発させる場所となるプラットホームの紹介はなされているのだが、それ以降突っ込んだ話があまり出てこない。「クリエイティヴィティ」がどんなものか最後までいまひとつよくわからなかった。カタパルトだけは整備しますわ、というかんじか。

昨日のエントリを引き継ぐならば、東氏の『動ポモ2』でもチラッと出てきたこの「プラットホーム」という概念が最近静かなブームとなっている気がする。プロバイドする側から提供されるひとつの場、あるいは既成のものとして存在する場というよりもユーザー側からの能動的な働きかけによって自由度が増し得るような場所、これがその「プラットホーム」の意味するところだろうか。

すでに大手企業(トヨタ?ホンダだっけな、などの自動車ディーラーだとかアメリカン・アパレルのようなアパレル企業)が参入しつつあるヴァーチャル空間「セカンドライフ」ではその名のとおりもうひとつの世界を生きることができるわけだが、すでに不動産王になりつつある女性なんかも存在しているらしい。

本書での裏メッセージとして、ウェブ2.0界のドンたる「グーグル」の支配ももうすぐ終わる!人々のクリエイティヴィティの前にグーグルは惨敗するのだ!というものがある。おそらくこれは「プラットホーム」概念が持つユーザーの増加自由度から演繹されていると思われるのだが、つきつめて考えればグーグルこそ「プラットホーム」のはしりであることなどなどによって、なかなかそうも簡単にいかないんじゃないかなとうまく納得できなくなってしまうのである。これからのウェブの流れ次第だけど。