行ってきたところPt.2

  • 渋谷


白井晟一氏設計の「松涛美術館」、休みだったけど

  • 横須賀


山本理顕氏設計の「横須賀美術館」、なんというかものすごく白いです

JR横須賀駅を降りて3番ホームから出るバスに揺られ35分。「観音崎京急ホテル・横須賀美術館前」をさらに行くと丘の上に見えてくるのがそれ。ガラスボックスに入れられたチューブ状の何かと写真のみで認識していたのは、アールがかけられた展示室の天井部であることがわかりました。基準階は地下1階なので7、8メートルの天井高があり、緩やかに壁面が天井へと溶け込んでいくようなディテールのせいで途方もなく大きい面を見せられているような妙な気分になります。採光のために壁や天井に設けられた円形窓のかたちを手がかりに正しく天井を認識する(あながちおおげさってわけでもないですよ)のですが、ホワイトキューブの「行儀よさ」からは大きく逸脱するような特徴を持った美術館になっているんじゃないでしょうか。

  • 本厚木


石上純也氏設計の「神奈川工科大学KAIT工房」

小田急線「本厚木」駅を下車し、北出口から右に見えるバス乗り場1番より「厚07」「厚89」のバスに乗って約30分。びっくりするくらいの渋滞に巻き込まれ、後にこれがここの日常であることを聞く。帰りもすごかった。行かれる方は覚悟されたし。今日の講演会でもお話があった「KAIT工房」は一見ランダムな柱の乱立と見えるも、その実綿密なシュミレーションに時間と模型を費やされたとのこと。実際一本一本異なる断面を持つ305本の柱は、ある角度から見るときっちりと面としての存在感を示しつつも、別の角度からは糸のように細く見えもします。面としての柱は思ったよりもパーティションとして使えますし、人の気配だけを伝えつつ視線をうまく散らす役割を持っています。
この場所に身をおいてみると、林の中をふらついているような、ブラブラする筋道を見つける楽しさのようなものがあります。が、係りの方にお話を聞くと、寒い日は暖房をかけても耐えられないくらい寒い、とのこと。広大なスペースをワンルーム的に使用する新しい試みがこれからも提示されると思いますが、この問題は結構重要でしょう。