耐震構造の件に関しては内部告発の渡辺氏が取りざたされ、新しい登場人物が現れた。建築業界に太いパイプを持つ自民党はこの新たな救世主の出現でこの劇を終わらせたいと思っているようだが、イーホームズの藤田社長の不穏な動きでそう簡単にはいかなくなった様子。というのはとある有名ブログに彼本人(とされる)によるタレこみがあったらしいのだ。彼は渡辺氏が実は以前から耐震強度偽装に関係していたということを暴きたて云々。

ややこしいのであまり深くは触れないが、今回のこの建築業界の事件を見ていて思うのは、今や事件の内部/外部が建築の内部/外部と関係がなくなっているのでは、ということである。建築業界とそれをバックアップする人たち、という構図が内側として存在しており、その対極としてその事件を見る人々がいる。つまり事件の外側から見て建築の内側は登場人物の関係性でしか残っていない。しかもそれがすでに犯人探しという位相にある現在、かれらの関係性は犯人への近さ/遠さにのみ変換されている。あくまでイメージでしかないが、なにがしかこの問題はその起こりから見て全体の位置がずれてきているような気がしてならない。最近この問題を見ていて少し違和感を感じるのはそういう理由なのではないか、とふと思った。あるいは社会的にある業界が問題を起こした際のとらえられ方とはそういう風になるのかもしれない、どの業界であれ。

まとめられてはいませんがこのエントリは一読の価値ありです
極東ブログ耐震強度偽造問題とブログ」
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2005/12/post_fd83.html