ヴェンチューリはラスヴェガスに学ぶ
そういえばヴェンチューリの言っていた「decorated shed<装飾された小屋>」とはなんだったかなとふと思ったので調べてみた。
Where the systems of space and structure are directly at the service of program, and ornament is applied independently of them.
ふむふむ。そしてこれに対比して「duck<アヒル>」が定義される。
Where the architectual systems of space, structure, and program are submerged and distorted by an overall symbolic form.
そもそも「アヒル」「装飾された小屋」とはどちらも建築の形態である。
Learning From Las Vegas: The Forgotten Symbolism of Architectural Form (The MIT Press)
- 作者: Robert Venturi,Denise Scott Brown,Steven Izenour
- 出版社/メーカー: The MIT Press
- 発売日: 1977/06/15
- メディア: ペーパーバック
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で、この「看板建築」のファサードの書割っぽさに「書割→ポチョムキン→ロース」というつながりを見てしまったりする。ただ、ロースのそれとヴェンチューリの「装飾された小屋」には前者が政治性、後者が商業性であるという違いはある。
閑話休題。ヴェンチューリは「アヒル」と「装飾された小屋」の二つのうち後者を選択する。これは彼のポストモダニズムのポーズ*2と照らし合わせてみるとよくわかる。要するに機械という象徴を建築に投影したモダニズムはその惰性的プロセスによってその象徴的形態がすべての建築的システムをサブマージュさせてしまったというのである。
「装飾された小屋」の支持によって内部空間と外部空間の非連続性がもたらされる。ただこれはモダニズム以前にも見られたことである。それよりもアンチモダニズムという観点からは幾分有効であったこの二分法が今いかなるアクチュアリティーを持つかという点で考えていくべきだろうと思う。