流れにのってみよう

今日はロマン主義の原稿がNGだったのでその手直し。ロマン主義はまとまった思想運動というにはちょっと危ういというかうまく取りつく島が見つからない。ロマン主義自体を描こうというよりは何かに特化した方がいいと思うので「はるかなものの飛散性」についてまとめることに。ざっくりとまとめてみるとロマン主義の未だ見ざるものへの憧れが今や取り戻せない過去への憧憬とパラレルになり、現在において過去と未来が飛散するというもの。過去と未来が現在に衝突するという感じにするのもありだが、ロマン主義っていったらなんとなく飛散してたほうが絵になりそう。

今日アマゾンに頼んでいたギンズバーグの『吼える』原書が来ました。

Howl and Other Poems (City Lights Pocket Poets Series)

Howl and Other Poems (City Lights Pocket Poets Series)

しかも安い。ビート世代の立役者である彼の訳詩を読んでいたら「原書読めよ」と突っ込みをいただいたのも購入の一因。一人で「ホーリーホーリー」とか「アメリカ、アメリカ」とかブツブツ言っていた。

で、ついでに僕も買っちゃいました、四方田氏の『「かわいい」論』。個人的に「かわいい」という言葉は「決定的なシニフィアン」の代用なのではないかと思います。イメージとしては階層的なシニフィアン層があって、「きもい」「グロテスク」といったシニフィアンの守備範囲まで及んでしまった「かわいい」層が表層にあるという感じ。さらにこの関係性はスタティックではなくあるきっかけで揺らいで逆転したりするのです。あくまでも個人の側にある価値判断基準であるというところがポイント。僕も「これかわいくない?」とか同意を求められてつい面倒で「うん、かわいい」と言ってしまったりするのですが。その先の議論という点で彼の著書があるのでしょう。