ついに

昨日は読書会と送り火送り火は関西に入って初めて見た、ということに帰り気づいた。

そしてこれ買いました。

丹下健三

丹下健三

前回触れた言葉と建築に関しては土居善岳さんがまさに『言葉と建築』という本を出版されている。のだが、同じタイトルでこんなのも出てるらしい。
言葉と建築

言葉と建築

欲しいのだがなかなか高価。ちなみに表紙左下はミース。全体的なテーマとして「言葉という呪縛からいかに建築を解放するのか」ということが言われているようだ。言うまでもないが、そうした言葉という呪縛からの解放を他でもなく言葉で示すことは容易ではないし、そもそも「解放」することが必要なことかもよくわからない。「しゃべらないで建てろ」というのがミースの口癖だったらしいのだが、こうしたミースのあり方をナイーブにリスペクトしてしまうのはちょっとおかしい。前の発表でも少し触れたが、思いのほか彼は饒舌なのである。

建築家側が語るということは彼の制作プロセスへと不断に介入する必然的な動機付けのようなものである。ミースの場合、彼の福音チックな金言はある程度彼のプロモーションとして考えることもできるはずである。たとえばドローイングに比してこうした言説に対して注意が払われてこなかったということはフォーティも述べているのだが、語られるべき建築の方はあらゆる種類の言説とともに、永久に発展したり変容したりする。この時間性を無視して語られる主体と客体を明確に分けてしまうことが「解放」なる語の暗示へと繋がっているのではないかなと思う。

思想としての日本近代建築

思想としての日本近代建築

これも欲しい。ただ今回の三冊はどれも500ページをゆうに超えている大著群だったりする。フォーティのは結構読みやすそうだったけど。