追記を
卒論に入れられなかったところ。
ミースのパヴィリオンは外在の文脈とのアナロジーで語られやすい。例えばテオ・ファン・ドゥースブルフの絵画とか。
なぜかというのはおいといて。絵画、哲学などの文脈でパヴィリオンを語るとき、その批評の対象はパヴィリオン写真から敷衍された一つのプログラムだったのではないか。ここまではとりあえず書いたのですが、軽めに触れる程度でした。
パヴィリオンの原理は「壁を荷重から自由にして、構造は柱にのみ任せる」というものであった。これはつまりアルベルティ以来の「柱と壁の弁証法」みたいなものを、つまり柱と壁にまとわりついてた象徴性を払拭することになる。おそらくここに外在の文脈が侵入する余地ができた。
この原理が「流れる空間」の発見を導く。この「Flowing」が冠せられる空間の時間性は、ギーディオンの時空間の発見が下敷きになっている。
- 作者: ジークフリート・ギーディオン,太田実
- 出版社/メーカー: 丸善
- 発売日: 1969
- メディア: ?
- この商品を含むブログ (1件) を見る
このパヴィリオンは原理+時間に還元されてプログラミングされやすかったのではないか。つまりパヴィリオンからまったく別の次元に新たな空間が恣意的に捏造された感もある。
このへんの解釈としては
球と迷宮―ピラネージからアヴァンギャルドへ (PARCO PICTURE BACKS)
- 作者: マンフレッドタフーリ,Manfredo Tafuri,八束はじめ,鵜沢隆,石田寿一
- 出版社/メーカー: PARCO出版
- 発売日: 1992/07
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
- 作者: マンフレッドタフーリ,フランチェスコダル・コ,Manfredo Tafuri,Francesco Dal Co,片木篤
- 出版社/メーカー: 本の友社
- 発売日: 2002/10/01
- メディア: 大型本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
あとはロザリンド・クラウス「グリッド、/雲/、ディテール」は日本語で読める。ロビン・エヴァンス、ホセ・ケトグラスなんかは英語。これは探しておこう。
この種の解釈とは関係ないが
- 作者: Ricardo Daza,Ludwig Mies Van Der Rohe
- 出版社/メーカー: Actarbirkhauser
- 発売日: 2000/06/01
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログ (1件) を見る