depato

売れてるらしい。

愛知生まれ関西在住者な僕にとって、出てくる地名のイメージが把握しづらいのがネック。都市/郊外というストレートな二項対立で考えられている現行の社会学にちょっと待ったをかける。東、北田両氏の差異が最終的に際立ちながら話が終わる。面白いのは「国道16号線的」だとか「ジャスコ的」と呼ばれるような、現行の二項対立からは外れてしまう「都市内郊外」の存在である。

ひとつの例として挙がるのが、大きな駐車場があって膨大な数の店舗が入る(ユニクロやトイザラスなど大規模チェーンが複数入る)ショッピングモールである。「動物的」欲求を効率的に充足のためのプランニングとともに現れるこの種のモールは、あたかも「国道16号線」沿いから発生したかに思われるが、いまとなっては都市にも侵入する可能性がある。ほら、ドンキも六本木にできたし。

ちなみにこれは全然要約ではない。話はかなり広範囲にわたる。敢えてここを抜き出したのは、この二人の対談ではこうしたモールの発生論的なところは省略されているなぁと散漫に思ったからである。

それでまた10+1の書評ネタに突入するのだが、このへんを考えるにあたって結構参考になりそうなことをいいタイミング(上の本読んだ後に)で見つけた。

The Harvard Design School Guide to Shopping: Harvard Design School Project on the City (Taschen specials)

The Harvard Design School Guide to Shopping: Harvard Design School Project on the City (Taschen specials)

コールハースの「ショッピング・ガイド」である。またもやビッグサイズで、またもや辞書のようにランダムなんだけどどこか恣意的な項目が踊るヘンな本。

書評で知る限り、面白そうなのはモールの形式に革新を与えた人の話(「ダンベル式」とかあるらしい)や空調の話。空調論はユニヴァーサル・スペースと抱き合わせで考えてみたい。あとOMA(コールハース主催の建築集団)の日本人スタッフが書いた項目で〈Depato〉(デパート)というのがあるらしい。「ケイレツ」「ロセン」「タカラヅカ」という結構深いところなんかもつっこまれている。ただ西武・東急による渋谷の「広告都市化」の話はでてこない。残念。