〈小都市のための美術館〉案

前回のエントリで触れたミースの美術館プロジェクト。1942年のものである。詳しい紹介は八束はじめ『ミースという神話』にある。三枚目の画像はフォトモンタージュで製作されたインテリアであり、これを考察対象とする論考もある。


平面図とパース。壁面の配置はバルセロナ・パヴィリオンと似ているのだが、外壁がぐるり一周しているところが異なっている。これは枠組みの相違(つまりこの美術館には基底となる囲いが存在しているということ)を意味しており、パヴィリオン建設から13年の開きも含めて、ポイントとなる問題かもしれない。

これがインテリア。ちょっと歪んでるのはスキャンの失敗です。ピカソの〈ゲルニカ〉やマイヨールの彫像(右手前)、レームブルックの横臥像(左のほう)などがフォトモンタージュによって配置されている。左の横臥像はバルセロナ・パヴィリオンで当初使用する予定だったものじゃないかと思われる。絵画面を縦に切る細長いスリットみたいなものは柱を示しており、会画面は展示されるものだけでなく、窓から見える景色の代替として考えられている。