ファスト風土

近年日本で増加する凶悪犯罪の原因は、かつての温かみのあるコミュニティが崩壊し、地域性を失ったどこにでもある同じような風景「ファスト風土」が蔓延していることにあるのだ!ということらしい。

ファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y)

ファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y)

大前提としてある、地方が画一的にのっぺーりと開発されていくこと批判はまだうなずける。でも犯罪者の性格なんて事件にとってどうでもいい!土地が悪い!の絶叫(たぶん)には不謹慎ながらちょっと笑ってしまった。

著者が言いたいことはシンプルであり、なんとなく共感しやすいのか結構好評の様子。個人的には「ファスト風土」と犯罪の関係性よりも、なぜこれほど地方がブラックボックス化して語られるのかが気になるところ。

ちなみに著者の三浦さん、パルコが98年まで出していた『アクロス』誌の元編集長。今はWebに拠点を移し、編集長も変わっている。
→「Webアクロス