物質試行のこと
- 作者: 鈴木了二,ボトンド・ボグナール,ヴラディミル・クルスティッチ,安斎重男,大橋富夫,藤塚光政,山岸剛
- 出版社/メーカー: INAXo
- 発売日: 2007/03/20
- メディア: ハードカバー
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「建築という活動を、竣工という一点に収斂させるのではなく、本来そこで営まれている複数の作業のプロセス自体が、つねに物質試行の対象である。」ただし、その《物質試行》自体はきわめて曖昧なものである。モノとしてあるわけではない、なにか検証のような作業であって、既存の枠組みに安住しない何かを記録する試みだといえるだろうか。その意味では「建築なるもの」でさえ、容易に「建築ならざるもの」へと転化してしまう。逆もある。だから彼の《物質試行》はジャンルを問わない。ナマモノを扱うようなものだろうか。
10+1websiteより「《物質試行》とは何か」1、2、3、4
そもそもわれわれがモノに向かい合うとき、外的な対象と人間の持つ諸感覚とが接触するわけだが、これは極めて精妙なバランスの上に成り立っている。この奇跡的ではあるが日常に隠されている事実を開示し、なおかつ記録していく試みが《物質試行》である。本書に評を寄せている中谷礼仁氏は、鈴木了二のこうした姿に「風博士」(青空文庫に入ってましたのでリンク)を見る。領域(部屋)内部を瞬間ごとに移動し、その部屋のあらゆる物質を感化せずにはいないのである。
- 作者: 鈴木了二
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
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鈴木氏の「零年」に関してはまた後日・・・