九坪ハウスのこと1

コンペ・レポート第二回として、今回出した九坪ハウスの自案をば。長くなることが目に見えているのでシリーズものにしてしまおう。今回はその1。これも行く行くはまとめて建築史の先生に見てもらうつもり。

平面図(下書き)はこんな感じ。この三つの家が狭小の敷地に詰め込まれると言うわけではもちろん無く、右上の小さい四角が九坪ハウス。この九坪ハウスが他の住宅に寄生するというシステムが今回のプラン。「つながる九坪ハウス」をリテラルにとっただけであります。ただこのシステムのポイントは、この九坪ハウスは他の住宅の「一室のみ」とつながる、というところにあります。否!これは九坪ハウスにあらず!という反論はもちろんあるでしょう。

とはいえ個人的にはこのシステムは住宅を「長持ち」させることができるものだと思っています。というのも、戸建住宅が建て替えられる理由の中には、その家に住む家族構成の変化のせいで一室足りなくなるからという比較的些細なものもあるわけです。そしてこの理由が、実際にクライアントさんと話す機会の多い先生曰く、意外と多い。ライフサイクルの変化はあらかじめわかりようが無いですから仕方ないと言えば仕方ないのですが、これはちょっともったいない。

一室足りなくなる、という状況は、一室余るという状況もありうることを示しています。ならばあらかじめ各々の住宅がそれぞれ一室を「担保」にすればいいのではないか、というのがこのプランを考え始めたきっかけであります(ほんとはあとづけ)。その見返りとしてなにか「+α」を提供できないか、と。そしてこの九坪ハウスは「α」に含まれる一部となるわけです。

ということで自案のタイトルは「(n-1)LDK+α」です。

つづく