サードプレイスのこと

ちょっと前から少しずつ触れ始めた自由課題の、「交差点に図書館を」という試みについて。よくよく考えてみると、こんなところからはじまっている。

1)「徒歩圏内」というゾーンがほしい
2)そこに「足休め」がほしい
3)会社、学校、自宅、このどれでもない場所がほしい
4)しかも無料

まあ稚拙な思い付きから出発したビジネスモデルもへったくれもないこんな建物建つわけないだろうと言うなかれ。要するにこれは「サードプレイス」のことだった。ということで一旦「交差点にあるサードプレイス」というテーマに変えてみる。
カフェだけじゃない
くわしくは「JDN:デザインリポート:“都市の食欲 サードプレイスの行方”」なんかを読んでいただきたい(なぜか途中で切れてますが・・・)。レイ・オルデンバーグ「グレイト・グッド・プレイス」で提唱された「自宅でも会社でもない場所」としての「サードプレイス」、個人的には(定義からは外れるけれど)「喫煙所」だなと思っている。建築系学生だったらば一度は唐突に襲われるであろう「カフェを設計してみたい」という欲求も、多分こうした場所を望む心持ちから発生してくるのだと思う。ただ、やっぱり「カフェ」が目的化してしまうのは面白くない。

The Great Good Place: Cafes, Coffee Shops, Bookstores, Bars, Hair Salons, and Other Hangouts at the Heart of a Community

The Great Good Place: Cafes, Coffee Shops, Bookstores, Bars, Hair Salons, and Other Hangouts at the Heart of a Community

西欧のカフェと日本の喫煙所ウィズ缶コーヒー
そういえばスペインに行ったときに宿泊したホステルの隣にあるカフェに毎晩行っていた。同室の人間がやかましすぎたからなのだが、そこで会社帰りのサラリーマンがクイっとひっかけて帰っていくのもよく目にしていた。一杯100円そこそこの値段でコーヒーが飲めた。ところかわって日本で喫煙所・コピー室がグッドプレイスになっている理由はおそらく「気取らないところがいい」からであって、これはスペインのカフェにも通じるものがあると思っている。缶コーヒー買って喫煙所で同期や他の人たちとコミュニケーションするのと大差はなかろう、と。だからかならずしもそこが「カフェ」である必要はないし、なるべくならデザインが「しゃらくさく」なりがちな商業ベースにはしたくない。ビジネスモデルは必要だとしても。ということで4)。
徒歩圏内VSロードサイド
1)の「徒歩で」というのは「どこから」が明確にしづらいぶん結構難しい問題だけど、車でのアクセスがメインの郊外はこの際そっとしておいて、「徒歩圏内」という明確な対立軸を「ロードサイド」に対してつくったほうがいいのでは。ただこれも「どこから」が明確にできないので、とりあえず「交差点」という方向性をさほど持たない場所を立地として想定している。とりあえず「道路は通行のためだけのものになるべきではない」という故黒川氏の発言をサブテーマにしてみようかな。
おまけ
あるいは「サードプレイス」としてのインターネットという考え方も忘れちゃいけないだろう。今や下火かもしれないけど「mixi」等SNSのプロトタイプはビジネスの場(アメリカだけど)から出てきたものだったし、僕らより下世代の「モバゲータウン」のリアル/バーチャルの重なり方は異様な力を秘めているようにも思うし。会社・学校からの距離のとり方こそ「サードプレイス」の肝であって、そういう意味ではこうしたウェブサイトから学ぶべきことは多いはず。でも、だから、それでことたれりとなるのかを考えるべき。
で、ちょっと気になったところ
この「サードプレイス」に関してはもう少しつっこんで考えてみたいところ。そんななかでちょっと参考にしたいのがこちら。「ライブラリー」だけど、既存の「図書館」を超えた存在。しかもちゃんとペイしてる様子。
アカデミーヒルズ六本木ライブラリー
森ビル49、50階は図書館だったらしい。詳しくは後日。