建築学生のハローワーク

試験おわり。そして全カリキュラムがおわりました。

建築学生のハローワーク (建築文化シナジー)

建築学生のハローワーク (建築文化シナジー)

ハローワークを必要とせざるを得ない現状を嘆かわしく思う向きももしかしたらあるのかもしれないけど、建築の「とりまき」に対する注目度が上がってきたと考えると結構興味深いのでは。当然のことではあるけど、建築学生がみんな設計の仕事につくわけではもちろんない。そしていままでだってそうではなかったはずであって、でもその具体的な進路にどういうものがあるのかはいまいちよくわからなかった。という中で割と包括的な見取り図を描いてくれる本書はまさにハローワークな一冊です。ただ年収は載ってません。そしてなぜこれらの職種なのかはちょっと気になるところ。「ファサードエンジニア、意匠審査員」なんていう職種はほとんど初耳で面白かったのだけど。
個人的感想としては、「建設コンサルタント」がカバーされていなかった点が残念。たださもありなんだなと思うのは、コンサルタントしてもらう会社にとってコンサルティングしてもらった内容が他人に分かってしまうことは「ネタバレ」とも言えるから。ということを考えると、コンサルの仕事内容は実際に働いてみないと分からないのかも知れないなー、とちょっと思ったりもしています。幅ももちろんあるだろうし。
そしてもう一点。多分この本に物足りないなーと思う人もいるはずであって、おそらくそういう人たちにとってはこれら50の「職種」という括り自体を疑問視する視点があるんじゃないだろうか。そんなんじゃ食えないよ、と一蹴する前に、「職種」の境界が曖昧なところでも「なぜか食えてる人」のすごい働きっぷりをちょっと見せてもらいたかったなと思う。案外こうした働き方をしている方は少なくない気がするのだけど。ちょっと欲を出してみました。