旧カブトビール工場

5月3日〜5日は旧カブトビール工場の一般公開。

歩道橋から

視点をちょっとずらして

いちばんめにつきやすいアングル。なぜならここが入り口だから
開口部がなく、色が異なり、そこだけ何かが引き剥がされたような面がある。実際、棟が引き剥がされた痕だそうだ。もともとの工場全体を真上から見るとT字(を90度回転させた)棟だったのだが、「T」の下の棒にあたる部分が取り壊されてしまったとのこと。コーンスターチ工場撤去の後くらいの話。

ハーフ・ティンバー
木材骨組みを露出させて、その間を煉瓦等で埋めるのがハーフティンバー。なお煉瓦の積み方は長手積み。煉瓦の長い方を半分ずつずらしながら積層させていく長手積み。ちなみに短い方を並べていくのは小口積み。一方北側部分は煉瓦造になっている。つまり構造形式が異なっているのだ。ハーフティンバー側の内部には現在、鉄骨の補強材が入れられているが、煉瓦造側はまだもつらしい。

平面図には記載がない室。受付か
ちなみにこちらが北側煉瓦造部分。

受付に接近。ワサッとしてる。植物が
そしてよく見てみるとわかるのだが、煉瓦の積み方がハーフ・ティンバーの間を埋めているものとちょっと異なっている。イギリス積みだ。一段目は長手積み、その上が小口積み、その上が長手積み、とリズミカルになっているイギリス積み。構造が違えば煉瓦の積み方まで違う。以下スパッとおさらい。

  • 北側部分:煉瓦造&イギリス積み
  • 南側部分:ハーフ・ティンバー&長手積み

北側の煉瓦造部分は主に貯蔵庫として使用され、南側のハーフ・ティンバー部分は主に瓶を洗ったり、ビールを瓶に詰めたり、ビールを詰めた瓶を置いたり、荷造りをしたりするところとして使用されていた。あと事務所も。

逆方面から
なおこのレンガ造部分は5重の複壁になっている。「壁:中空層:壁:中空層:壁:中空層:壁:中空層:壁」という具合に。その理由は断熱がまずひとつ。もうひとつは湿度変化を少なくすることだ。実際入ってみるとひんやりして、夏なんかはどうにも気持ちがいい。中空層というのは要するに「あき」があるというだけのことなのだが、あなどるなかれ。私たちが日常的に触れる建物でもこの「あき」は重要な断熱方法のひとつとなっている。

入り口
次回は内部の様子をお届けします。