で読書会。ヴィドラー『X marks the spot』。メモ程度に。

・警察が合理的探索の幾何学的空間と措定するような三次元空間も結果としてデュパンの方法論によってただの部分集合になってしまう。同時に視覚性が崩れる。要するに視覚の「歴史」によって、つまり他の感覚との密接な結びつきによって視覚そのものは混乱させられる。むしろそうした視覚性に無意識だったデュパンは結果として手紙を見つけるのである。

・都市の構造によって地域別の分割が生まれる。そのような都市には暗部があり犯罪性はそこにおいて象徴される。一方非構造化された都市、例えばチャンドラーのロサンゼルスにはそうした分割が見られない。いきおい都市のあらゆる場所が犯罪の起こりそうな雰囲気に満ちる。同様にある対象がかつて持っていた証拠としての呪物性は今や薄れ、あらゆる対象が全体としてその雰囲気をかもし出すのである。

・そしてこの空間の隠れた犯罪性という点にバタイユは着目するのである。


来週には終わりそう。次は序文を読む予定。