言い足りなかったのでつづき

昨日の続き

表参道に最近できた安藤忠雄表参道ヒルズに関して。外観はもち打ちっぱなし+ガラスなのだが、内側がちょっと面白い。中央に吹き抜けがあり、その周りを通路が走ってそれに沿うように店が連なっているのはたいていのファッションビルと同じなのだが、その通路が斜面になっておりいつの間にか上の階にいる。これがどういうことかというと、どの階にいても斜面に対して上に向かって歩けば一番上に至るし、下に向かって歩けば一番下に至る。そして一番下は地下二階(たしか)なのでこうして階構造の分割がトリッキーだとどこがグランドラインか分からなくなるのである。夥しい人がそんな風にぐるぐる回っているのは文字通り循環という感じがして気持ち悪かった。

表参道は皮膚っぽいファサードを持つ建築が多い。青木のヴィトン、伊東のトッズなんかはその代表格だと思う。さらに伊東のトッズは各階層のラインと窓が比例していない。安藤のヒルズとは対照的である。

表参道をヴェンチューリ的に読み解いていくことは可能であろうがどこかしこりが残るのはこうした内部空間と外部空間、さらにはそのインターフェイスとしてのファサードの関係性に注目すべきだと思うからである。上に挙げたような様々な可能態としての関係性が存在するということがもはや固定された役割分担を越え出るようなものであることは言うまでもない。内側は内部、外側は外部、それを分割するのがファサード、という区分が先に立つのでなく、関係性としてのそれらが痕跡のようにして建築を生み出していくという現象も起こるのではないだろうか。

かなり漠然としたメモだが。