読書会一日目

読書会。訳が不安定で言い回しに難あり。ただあまりに脱線した翻訳はなかったと思うので段階的にブラッシュアップして行こうと思う。とりあえずレジメに関しては各パラグラフごとにタイトルをつけてキーセンテンスをおさえること。次からもレジメとりながら読みすすめていくことにしよう。

「曲げられた空間」とは形式的なものに心理学的な手続きを取り入れる試みの多様性を含むメタファーである。要するに美学的な空間論に心理学諸理論が取り入れられたことを契機とするスタティックな空間認識の破綻がそれにあたるのではないだろうか。そうした空間論は前作でも展開されており(多分)、今作ではそれを大都市へとスライドさせて論じている。科学的手法に拠る心理学による一元的空間の破綻を概説する文脈における「事物や身体の入れ物のような空間が破綻する」という旨の文がニュートン空間の超克を暗示しているようで皮肉っぽい。勘違いかもしれないが。

それにしてもヴィドラーの論文を読むときの自分ときたら彼の出す固有名詞なり概念なりをいろいろに組み立てつつ「あれも違うこれも違う」という感じで大混乱している。パラノイド・クリティカル・メソディカルな読みとはこれに近いような気がする。