ロウ曰く

先日挙げたロウの本はさりげなく翻訳に伊東豊雄が参加してる。ミース関連では「新『古典』主義建築と近代建築」なんかがある。ミースが時代精神を象徴する云々ということを言った後この言説に追随するフォロワー(ミーシアン)が現れるのだが、彼らにとっては時代精神=技術という読み替えと伴に形態への問題を棚上げにすることができたのである。「シカゴ・フレーム」では建築的というよりも商業的な問題に直結するシステムとして確立されたシカゴのグリッドを「事実」としてヨーロッパのパラダイムと区別している。「インターナショナル・スタイル」という立て看板の皮相性とその成立に地位的な言説が付きまとう故の複雑性は興味深い。