建築を旅する (造形ライブラリー 04)

建築を旅する (造形ライブラリー 04)

この「造形ライブラリー」シリーズはほかにもこんなのがある。
素材の美学―表面が動き始めるとき… (造形ライブラリー 02)

素材の美学―表面が動き始めるとき… (造形ライブラリー 02)

ビライの方は建築・芸術関連の書評の体を取っているが実践と言説のつながりを考えさせてくれる。

で、岸さんはミースの建築を評する際に「ソリッドなヴォリューム」という言い方をしている。例えばイリノイ工科大学の建物なんかは二面の繋がる部分(出隅)が工夫されている(これは言葉ではどうしても説明できない)。出隅が柱だと「マッスだ、重量感あるぜ」という印象が強いのだが、ここでは面が前に出てるのでどうにも「ヴォリュームだ、重量感ないぜ」という印象になる。ただその面のみを取り上げて見てみると煉瓦だったりスティールだったりと思いのほかずっしりした感が強い。こういうのを「ソリッドなヴォリューム」だと彼は言っている。

すごく平易な彼の言葉の裏に僕が見なければならないポイントがある、と思う。