虚と実

ポルケ行って来ました。

とあるお方が子どもたちをガイドされているところを目撃。素直に大人の話を聞くところになんていい子達だ、と思い、彼らの描く絵にすごいな、と思う。あまり見せてもらえなかったが。やはりプライバシーは守りたい様子。

ポルケに関して。彼のスタイルは多様であって一概に語りえないということは確かだと思う。ただ透明性の観点で参考になる部分が多い。例えばこれは、今ブライソンの視覚表象に関する文献を読んでいること。さらにコーリン・ロウのリテラル/フェノメナルの区分を引きながら『思想空間』「モダニズムのハードコア」あたりを当たっているということに関連する。で、フェノメナルな透明性を考えたときにポルケの『不思議の国のアリス』なんかは結構いい例になるのではないだろうか。「ラスター・ドット」で像(図)を浮かばせながら、背景の地を十全な地たらしめない契機も孕んでいる。こうして事後的にそれが「透明」であることを要請するということが「フェノメナル」ということなのだろうか。これは、図と地の交換可能性、そしてその二項対立のあり方それ自体をも考えさせる作品になっているのだろう。