ゼーヴィ

章立てが甘いとのお言葉をいただいたので変更。とりあえず下書きは終わったのだがどう調整していったものか。ううむ、あと一日。

空間としての建築 上 (SD選書 124)

空間としての建築 上 (SD選書 124)

空間としての建築 下    SD選書 125

空間としての建築 下  SD選書 125

原書は1948年。ゼーヴィはイタリアの人だが、ハーヴァード大学に在籍していた。バイオグラフィは日本語で存在しないようだが、その年が1940年卒業になっていたり、1940年からになっていたりで微妙(前者はイタリア語版、英語版は後者)。なぜこだわるのかというと、1938年にハーヴァードである有名なスイス人が記念講演を行っているのである。その人こそジークフリード・ギーディオンであり、この講演がまとまって『空間・時間・建築』として1941年に出版されたのだ。

建築史を空間の側から読んでいくという試みは多分ギーディオンが最初(空間自体を建築で論じた人は結構いるが)であり、ゼーヴィがその後を追うような形となった。別に彼がギーディオンの講演を聴いていようがいまいが当時の気運として空間への着目が存在していたとも考えられる。ジョンソンらの「インターナショナルスタイル」展におけるMoMAといいハーヴァードの講演といい、アメリカの果たした役割はやっぱり結構見逃せないみたい。

そうそう、でゼーヴィの本でミースの出てくる箇所を見ていたら、パヴィリオンの平面図に柱が一本なかった。無柱版、六本版、八本版はドレクスラーのドローイング紹介本(これもMoMAから出てる!)で確認できたのだけど、この七本版ははじめてみた。誤植だろうか?誤植にしてはちょっと「ありそうな」ところの柱が抜けていて、多分ここなら抜いても構造的に「もった」だろうという感じにはなる。気になる。