ルシアン・エルヴェ

sakakibara19842006-10-29

今日はルシアン・エルヴェ(Lucien Herve, 1910-)の展覧会が元町のギャラリー(ギャラリーヤマキファインアート)であったので寄ってみた。あまり展示数は多くなかったけど親切なおもてなしをしていただけた。

エルヴェはまだご存命なのだが、彼がその作品を撮りつづけたコルビュジエは、彼のことを「建築家の魂を持った写真家」と褒めちぎっている。実際にはコルビュジエのほかにミースの作品もいくつか(一枚しか確認できなかったけど)撮影しているし、エッフェル塔や街の風景も撮っているらしい。ちなみに形式的にはコルブはモノクロ、ミースに関してはパヴィリオンをカラーで撮ったものが一枚あるだけだった。彼の作品の中に、曇り空をバックにコルビュジエマルセイユの集合住宅を撮ったものがある。一見すると画面の中心に真っ白な可塑的な面が「図」として浮き上がってくるように見える。ただよく見てみるとその白い面は空であって、むしろ「地」だと思った背景が実際の集合住宅だったのである。

おそらくコルビュジエに焦点を当てたのは、コルブが後年可塑的な形態に対して追求していった(その結果としてのロンシャンはエルヴェもたくさん撮っていた)ということに惹かれただけではなさそう。コルブの建物における白色の使い方は一つのテーマともなるべき重要なトピックであったわけだが(詳細はよく知らないのだけど)、その側面を戦略的に写真作品へと用いているのかもしれないなと、上に挙げた集合住宅の写真を見ながら思ったのである。

ちなみにそのギャラリーでは

Lucien Herve: Building Images (Resources Series)

Lucien Herve: Building Images (Resources Series)

これと
The Eiffel Tower

The Eiffel Tower

これと
Architecture of Truth

Architecture of Truth

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