機能

今日の3限はデザインの授業。「機能」について。アメリカのルイス・サリヴァンによる有名な格言「形態は機能に従う」にまつわる隠蔽工作を暴くというJan Michlの論などを参照に話が進んでいった。ちなみに当該の論文「Form follows WHAT?」はオンラインで入手可能である

「機能」という概念はどうも当時から眉唾ものだったらしい。実際建築家の方便となっていたところはたぶんにあるとおもうし。「機能」という概念の曖昧とした感じがおそらく受けていたのだろう。ミースの「建築(「バウエン」だから正確には「たてること」とかになるか)は空間的に捕捉された時代精神である」でもそうなのだが、「時代精神」という、個別的な人間に先立つなにものかに建築を従わせようとする流れは強かったのではないだろうか。こうしたところからモダニズムが科学のような客観性を目指したことが見て取れるが、政治的なところもあったんじゃなかろうか。

ということで「機能」を「(個別的な)目的」として定義して、上のサリヴァンの格言を読み直したとしても、モダニズムの文脈上での価値は全く見えない。それにしてもこれからのトレンドは個別的な(小文字の?)目的へと向かうのだろうか。だとしたらやはり「建築」でさえ個別化しなければならないのだろうか。最近はそのあたりを少し考えている。