情報をデザインする

3限にデザイン論。今回はコミュニケーションについてだったのだが、情報をデザインするということに関しての概説も含んだ講義だった。

コミュニケーションとはインターフェイス、使用、使用の検証可能性というような観点からアクセスできるようだ。三番目の検証可能性とは使用者と制作者の使用状況が同じか否か検証可能であるということをさしている。要するに作者の想定する使用状況のモデルがどこまで実際とかち合うのかということであるのだろう。アップル社のジョブズが言うように「製品は使ってみないことにはその機能がわからない」(細部失念)わけであって、(再)製作の際の統計的なデータが必ずしも製品の質を決めるわけではない。なおかつ「製作者の意図」というあるのかないのかよくわからないものは、最終的に「仕様」のことなのか?という思いが禁じえない(おそらくそうなのだろうけど)。だからこの検証可能性に関してはちょっと疑問。

情報デザインに関しては関空アップルストアの例を出されていた。

関空では、リムジンバス到着口から飛行機への搭乗口まで進んでいくにつれ屋根がだんだん高くなっていくのだが、これはどちらの方向へ進むべきなのかの目印になっているらしい。しかもパスポートコントロール等の搭乗手続きがすんだ後になってから、視覚的に飛行機がガラス越しに現れるよう動線の工夫と階層の作り方が考えられているらしい。最初から飛行機が見えてしまうと、そちらの方へ進んでしまい、踏むべきプロセスを素通りしてしまう可能性があるということを避けたプランになっている。アップルストアでは、最初にエントリー・ポイントといって、入り口を入るとすぐに全体が見渡せる場所を与えているようだ。ここから進んでいくにつれ新たな細部が現れてくることで、全体が実際より大きく深くかんじられるのだろう。

情報デザインとは、情報そのものをデザインするのではなく、ある状態からある状態への移行をデザインすることのようだ。個人的には建築プロセスにおけるサインのデザインや配置が想像される。建築家が設計段階で大きなウエイトを占めているように感じていたのだけど、コールハースとバルモント、ピアノとライスのような建築家+構造家のオーヴァーラップにも注目するべきだろう。そしてこうした積層の中で、情報デザインの占める位置はどうなってくるのかに関して興味がわく講義だった。