知られざる建築家展

1912年のミュラー邸実物大模型のプランが提出されたグロピウス主催の1919「知られざる建築家」展に添えられていた論考が見つかった。寄稿はグロピウス、タウト、そしてアドルフ・ベーネの三人による。全体的に建築の革新を謳ったものが多いのはおそらく当時建築界をリードしていたドイツの機運によるものだろう。

他方でタウトなんかは19世紀の終わりから「ガラス建築」を唱え続けたパウル・シェーアバルトにガンガン影響を受けていた時期であり、建築素材としてのガラスに象徴性を見出しているように見える。上の絵はタウトによる「ガラスの家」。彼らは反論しただろうけど、やはり幾分ユートピア的に響く。

 

左はハンス・シャロウン、右はライオネル・ファイニンガーによるドローイング。アドルフ・ベーネの論考から当時の状況を垣間見えるのだが、どうやらこの展覧会ではドローイングや図面が購入できたらしい。それまでも「気取り屋」が図面を買い取ることはあったようだが、同展覧会が、買い取られることを意図した図面制作が市民権を得始めるポイントとなっていたのではないだろうか。