ミースのドローイングはどうか

Mies-Perls Krefeld 1/5&6 (Garland Architectural Archives)

Mies-Perls Krefeld 1/5&6 (Garland Architectural Archives)

これであってるのかな?まあいいや。このドレクスラーのドローイング本は全六巻で、最初の二巻がヨーロッパ、次の二巻がアメリカ、最後の二巻が補足という感じになっている。ミースのドローイングで特徴的なことは、実際に建設されたプロジェクトに関してはほとんどが平面図か断面図であるということだ。これは現存しており且つ保存されているものという条件付きだが、透視図とかアクソノメトリックで描かれたものとかもあるにはあるから敢えてそれらのみを掲載したというわけではなさそう。
 
例えばこれは1928年の「ガラスの部屋」という展覧会用のプロジェクトの写真(左)と平面図(右)である。前にも多分触れたが、このプロジェクトはパヴィリオンの建設と時期的にかぶっていたと思う。フルハイトで色つきのガラスが使用されている。ちなみに右の図面を拡大してみると平面図の余白部分にパースが描きこまれていたりする。

平面図、断面図とは存在しない視点から描かれるものである。アクソノメトリックに関しても、透視図と違って、「描かれる空間」に「それを見据える視点」が属していない。「客観的」ではあるのだが、それとはまた別の、経験的なパースを可能とするような超越論的な性質が平面図や断面図に見出せるのではないだろうか。