視覚補正

新・建築入門―思想と歴史 (ちくま新書)

新・建築入門―思想と歴史 (ちくま新書)

構築vs非構築(建築である限り現実的にはどうしても失敗に終わるわけだが)という対立関係が全体を通して前景化されているので構図としては分かりやすい。しかも思想と建築との並行関係もサクサクと紹介されている。例えばスコラ学とゴシック。これはパノフスキーの有名な著書のタイトルにもなっている。ちなみにパノフスキーによって唱えられた平行性、バタイユ研究者の酒井さんはきっぱりと否定している。
ゴシックとは何か―大聖堂の精神史 (ちくま学芸文庫)

ゴシックとは何か―大聖堂の精神史 (ちくま学芸文庫)

この本で。

隈さんの本でサラッと紹介されているのだが、ウィトルウィウスの『建築十書』ですでに視覚補正の方法が記述されているらしい。柱は上のほうをすぼませろ!まっすぐだと真ん中がくぼんでみえるぞ!とか。紀元前ですでに視覚的な建築が出現していたということか。複製技術の出現とともに建築が視覚化して云々とか卒論で書いてしまった。どうしたことか、事実関係を追ってみたい。

ウィトルーウィウス建築書 (東海選書)

ウィトルーウィウス建築書 (東海選書)