集中講義2日目

先日29日から31日の3日間にかけてid:morohiro_s先生の集中講義。今日が2日目。午前中はジャズの流れを追いながら、どのようにしてモダンジャズがコードやモード(音階)といった秩序を抜け出てフリージャズへ向かったのかに関して見ていった。午後は今和次郎考現学について。

考現学入門 (ちくま文庫)

考現学入門 (ちくま文庫)

ヨーロッパの動きに連動する形で日本の建築界に起こった1920年代の分離派以降、MAVOやバラック装飾社といったちょっと支流の人たちが現れる。このあたりは藤森さんが建築の文脈からアプローチしている。この流れはおそらく考現学の影響下にあるのだろう。

今和次郎考現学が面白いのは、建築に残される身体の痕跡を追求したことにある。人がいない状態こそが建築であるというモダニズムの理想ゆえに、竣工写真こそが建築写真であるという意見が一方にある。他方でその形式化されるところの「場所」から身体の参与によって「空間」へと変容するところのものを見ていこうとする意見もある。

日常的実践のポイエティーク (ポリロゴス叢書)

日常的実践のポイエティーク (ポリロゴス叢書)

この「空間」対「場所」という区分は、アンリ・ルフェーブルによる空間区分にも類似するところがありそうだ。
空間の生産 (社会学の思想)

空間の生産 (社会学の思想)