セヴェラルネス

集中講義3日目。ブレイクビーツの話からブリコラージュへ。午後はその続きと風景論。

セヴェラルネス 事物連鎖と人間

セヴェラルネス 事物連鎖と人間

モノの用いられ方は一つでもなく無限にあるわけでもない、つまり一でも多でもなく「いくつか」である、この「いくつか性」が表題にもなっている「セヴェラルネスseveralness」である。

中谷氏は本文中でセヴェラルネスを「形のもつ潜在的有用性」と言い代えているが、このようにセヴェラルネスとはある対象の使用可能性の一覧であるといえる。あるものを転用conversionすることもこの一覧から選択肢を選ぶことになる。この辺はギブソンの「アフォーダンス」理論を踏襲しているのだろう。

生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る

生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る

このあまりにも誤解を受けてきた「アフォーダンス」の分かりやすい(?)解説書としては
アフォーダンス-新しい認知の理論 (岩波科学ライブラリー (12))

アフォーダンス-新しい認知の理論 (岩波科学ライブラリー (12))

なんかがある。

中谷氏が面白いのはこの図式でサリヴァンの「形態は機能に従うForm Follows Function」を読み替えていることだ。この金言に内在する躓きのもとは「機能」という語の持つ曖昧さだったわけだが、これをあえて誤読することでアクチュアリティを持たせている。まだうまく理解できないが。