紛争を通しての建築
この本を読むとなんだかどんよーりとした気持ちになる。
- 作者: 五十嵐敬喜,小川明雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/11/21
- メディア: 新書
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建築紛争として真っ先に頭をよぎるのは一昨年(去年じゃなかったんだ)の姉歯さんの耐震偽装事件だが、それ以前に98年の建築法改正によって状況がドラスティックに変わったようで、本書のウエイトは後者の方に置かれる。それが耐震偽装の問題へと与えた影響を述べつつ、景観問題を巡るいくつかの事件を取り上げながら、その背後にある法規制の疑問点が浮き彫りにされていく。要するに建築法がことごとく「建てる側」に有利なものとなっているということである。建設反対があっても建てちゃえば「解体に伴う不都合」が環境に与える影響によって解体自体が不当にされるらしい。そんなばかな。
建築において特殊(他の場合をあまりしらないけど)なのは、法体系の中に取り込むことの困難な「美」「景観」が実は建築紛争において重要なポイントとなっていることだ。
- 作者: 五十嵐太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: 新書
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メディア報道の偏差は間違いなくあるのでTVを見ながらナイーヴに憤慨している場合ではない。その辺の情報が望まれるところ。