モデルノロジオ
- 作者: 宮田珠己
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2004/06
- メディア: 単行本
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今や「巨大仏wiki」なるものまで登場している!→こちらからどうぞ「巨大仏wiki」
著者も書いている通り巨大仏は昭和六十二年まで約五十年かかってわずか六体しか建っていなかったのだが、それから平成七年までの九年間(1987〜1995)で十体も完成している。うちわけとしては宗教法人が建てたものよりも個人が建てたもののほうが多いようだ(詳細不明)。ビルより管理が簡単で→ランドマークにもなるし→インパクトもある=巨大仏、というロジックになったかどうかは知らないが、この時代ピンポイントで「巨大仏熱」がささやかに高まったことがとても気になる。
巨大仏が、「ぬっ」とした印象を持つのは、それが仏さまであるという意味を失って、そこにそんなオブジェが唐突にあるだけの風景として見えるときだった。……モノは、その意味を剥奪されたときに、「ぬっとあるもの」になるのだ。
著者が自己分析するに、巨大仏の魅力は、周りの空間からブツリと切り離されたときに露呈される巨大仏の即物性、つまり「ぬっとある」ことにこそある。
- 作者: 赤瀬川原平,南伸坊,藤森照信
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/12/01
- メディア: 文庫
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一方で極小化する「かわいい」マスコットがあり(キティちゃんとか)、他方で極大化する仏がある。建築という文脈に話を絞れば、極大化の波は何も仏に限ったことではない。物語性を持ったマスコットキャラを極大化して建築へ合体させるという試みは、教条化したモダニズムに対するひとつの抵抗軸としてその限りで評価されるべきであるというのは中川理氏が「ディズニーランダゼイション」の本で述べていることである。
- 作者: 中川理
- 出版社/メーカー: 彰国社
- 発売日: 1996/02/01
- メディア: 単行本
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