小樽モノ


小樽運河沿いには昭和初期に建てられた鉄骨造やレンガ造の(だと思う)工場が並んでいる。今は改修されてレストランになっている、というか見たところレストランしかなかったのだが集客率はどうなのだろうか。ちなみに僕が入った一軒はあまり芳しくない様子だった。もう少し分散させたり他の用途に使っても良かったんじゃないかと思うのだがこのへんは大人の事情があるのだろう。

一番大きく且つ唯一のレンガ造で目を引いたこの一軒は目下改修中だった。内部は木造の軸組みが短いスパンで渡されているので無柱空間に慣れた今となっては柱が邪魔に思えるくらいである。実際にここがレストランになるのかどうかは分からないが、部分的にレンガで覆われた柱が多いというのはかえって趣があるとも言えなくはない。でも元工場ゆえの少ない開口部をどう処理するのかは結構なネックになるのではないだろうか。壁を抜けばいいのか。運河沿いの風景は結構なウリになると思うのだが、歴史的建造物だと改修もまたいろいろと難しそうなので壁をぶち抜くという解放がとられるかは不明。やはり構造上の問題もあるのだろうか。

もう少し北上すると石造りの銀行、新聞社が立ち並ぶ「北のウォール街」なるエリアが東に、西には商店街がある。上の写真はガラス、レンガかタイル、木材を使用したモダーンな建物。数は少ないのだが、こうした建物が昭和初期の建物のなかで意外と埋没しないのは、下の某有名菓子屋さんのリノベーションが都市にアクセントを加えているからではないかと思う。

規格の大きめなブロックを積んだ構造だろうか。ファサードをよく見てみると道路から入り口までのアクセスを設けるためにいくつか棟を壊した跡がある(超芸術?)。あるいはそういう物件をリノベーションのために選んだのだろう。路面ギリギリまでファサードが出ている他の店舗に比べて空間に余裕ができているし、文字看板がうるさくない分屋号が強調されていると思う。

気になったのは、電線が地中に埋まっているところとそうでないところがあることだ。個人的にはどっちでもいいのだが、どっちかに統一すればいいのにと思う。あと埋めるなら全部埋めて欲しい。茶色のヘンなボックスは電線生めたツケとして地上に存在しているとしか思えない。あれも原理的には埋められるはずだと思う。