公共事業モノ
- 作者: 高杉良
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/04/23
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図解 公共事業のウラもオモテもわかる―いっきにわかる日本の「病巣」のすべて (本当に知りたいアナタのための「公共事業」〓カタログ (第2弾))
- 作者: 五十嵐敬喜,小川明雄
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2002/06/01
- メディア: 単行本
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ただ官僚の天下り先というゼネコンの姿はバブル期から変わってない。それがためにメインバンクが債務放棄したり会社更生法を適応したり何とかして潰さないように頑張っているのである。「天下り」には常に「ノウハウの確保」とルビがふられてきたのだが、結局いらない道路やらダムやら港湾やら空港やらを作り続けるための知識なら、いらない。とはいえ事業主体には「いるかいらないか」の判断はできないから仕方ない。というかそもそもそれを決める主体(チェック機関)がいない。なぜなら公共事業の枠組みを決める「全国総合開発計画(全総)」は内閣の承認だけで決まるから。と、こうなっている。
ちょっとでいいから道路作るお金をすでにあるハードを巡るもろもろに、社会保障に、使ってほしい。公共事業がなくなると地方の雇用がなくなるというのはもはや神話だし社会保障はシステムさえ整備すればペイするものだろう。いらないハコモノを作れるゼネコンへの補助よりも大きな建設を受けきれない中小建設企業のために「実際に人が集ってる場所」の整備をコツコツと且つ迅速に発注したほうがいい。そして全総という大枠より個別具体的な地方自治レベルでの変革を重視すべきである。あらゆる地域に普遍的に適応可能なプランなんてもうない。前例を作りながら少しずつ変わっていくことが大事だと思う。
そうそう、高杉小説はしっかりとした取材が一つの魅力を形作っている。そのなかでも見所は某超有名建築家と某知事による某庁舎を巡る癒着のところ。一応全部仮名を使っているのだがどう考えても分かる。初期のファミスタレベル。某婦人まで登場して面白かった。