ダイワハウスコンペ

コンペ案ブレインストーミング第一回。最終的に参加希望者が7名ほどに増えたので業後にプレゼンもどきをやってみた。ダイワハウスコンペに先駆けて審査員諸氏が懇談会を開いており、参加者はまずそれを読むよう規定に書かれているのだが、とりあえずその文章をどのようにとらえたのかを各々が提示することからはじめてみた。

施主像の設定、「高齢者向け住宅」を目指しながらも主亡き後の使用法をどのように提示するのか、そして「収納」をどうプランのなかで際立たせるか、こうしたところがおおよそのポイントとなった。考えてみれば「収納」という概念はただ単に物理的余裕を人の動線外に配置することで解決することではない。収納とは、生産、消費なる概念に焦点を当てるあまり、これまでの建築史が問い忘れてきた問題の一つとしてとらえることができるだろう(ミースの住宅の間取りを見ればよく分かる)。具体的な施主像の設定が極めて重要度を持つのはこの問題故であり、収納すべきものが物理的なものか、あるいは「収納」という後自体をより比喩的な意味においてとらえるのかを決定する必要がある。

また別のレベルで、彼ら亡き後、残された遺族にとって彼らが収納してきたものはどのような存在となるのか。その解消法をプランの上で行うのか、プランに残しておいた可能性の上で行うのか、使い手自身に変化をうながすのか、この点だけとっても様々なヴァリエーションがある。高齢化社会といえど、彼らだけを対象にした住居が果たしてこの先本当に必要になるのか。世代間タイムラグは考えないでいいのか。こうしたことを常に頭に入れて、次回は実際にプランをプレゼンしてみようということになった。

ただもちろんどこまで建築家がフォローすべきであるかも考えていなければならない。さっくりとした課題のなかに濃い問題が隠れているコンペだと思う。