カーン
改正基準法はさておき、ルイス・カーンのこと。
- 作者: ルイス・I.カーン,Louis I. Kahn
- 出版社/メーカー: 鹿島出版会
- 発売日: 1992/10
- メディア: 単行本
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ともあれ、カーンの言葉が分からないとしては1)彼が反時代的であること2)平易な言葉に込められた意味が独特であること3)彼が教師であること、おおよそこの3点が挙げられると思う。1940年代、40歳を過ぎて彼は教師になり、建築家として活躍するわけだが、モダニズム→ポストモダンという時代の流れから身を引き、モダニズムとは別のアプローチで「建築とは」と問うた。確かに彼はモダニズムの「言語」を使用してはいた。しかし「プログラム外の言語化不能なもの」に対する志向性によって、カーンはモダニズムで割り切れない奇妙な建築家と映るのである。つまり建築そのものに対する姿勢あるいは問いかけ方の上ではモダニズムから最も遠いところにいたのである。
- 作者: 香山寿夫
- 出版社/メーカー: 王国社
- 発売日: 2003/10
- メディア: 単行本
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ところで、論文集に収められた各論文を断片的に眺めているだけでは「カーンの文脈」は見えてこない。「彼は建築家である前に教師であった」と述懐する香山氏は、同書においてカーンの言葉「オーダー」「フォーム」「ルーム」「沈黙」「光」が自分にとってどう響いたのかを記す。個人的な意見としては、金言として語られるカーンの言葉は実はまだ自問の中にあって、暫定的に答えられたその問の中にわれわれも巻き込まれているのではないかと思っている。ありがたがってるヒマなんて無いぞ、と。
ルイス・カーンの空間構成―アクソメで読む20世紀の建築家たち
- 作者: 原口秀昭
- 出版社/メーカー: 彰国社
- 発売日: 1998/03/01
- メディア: 単行本
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