レクチャー建築意匠
7月にはいりましたが、6月最後の金曜日は京都三条のVOXビルで開かれております、「レクチャー建築意匠」の前期最後のレクチャー(四回目)がありました。今回のテーマは都市。講師には大阪産業大の松本裕さん、そしてゲストは京都工繊大の松隈洋さんでした。第三回はこちら。
前半は松本さんが近代の都市計画を、19世紀のオスマンによるパリ改造計画あたりから時間軸にそって講釈。松本さんが引いてこられた「イソザキ(磯崎新)モデル」によると、順に①実態的段階②機能論的段階③構造的段階④象徴論的段階となっているらしく、オスマンは①に当たる。
パリ大改造―オースマンの業績 (The cities=new illustrated series)
- 作者: ハワード・サールマン,小沢明
- 出版社/メーカー: 井上書院
- 発売日: 1983/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: ル・コルビュジェ,樋口清
- 出版社/メーカー: 鹿島出版会
- 発売日: 1967/04/15
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
メタボリズム―1960年代 日本の建築アヴァンギャルド (INAX叢書)
- 作者: 八束はじめ,吉松秀樹,メディア・デザイン研究所
- 出版社/メーカー: INAXo
- 発売日: 1997/10/01
- メディア: 単行本
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
とまあこんな大雑把な概説を松本さんがなされたわけではなく、僕なりの解釈である。あしからず。ちなみに本レクチャーでは、都市計画ならびに「計画」概念自体が失墜した現代において「没場所性」をどうやって乗り越えるのか、という具体的な話までは行かなかった。ただ方向性としては、没場所性を否定も肯定もせず、資本主義のながれのなかでの一背景として割り切ってしまうコールハースの例が提示されていた。
前川國男事務所で働いてらした松隈さんが前川の都市概念をプレゼンするというのが後半だったのだがこの二者がどう通じるのかはよくわからなかった。日本における高層建築黎明期を過ごした前川にとって、都市というよりも自作の公共性のようなもののほうが重要だったのではないだろうか。どこかで都市という全体を放棄するようなところがあると思うのだが。大雑把な印象。