赤レンガ・ルネサンス


愛知県半田市(うちの地元であります)のコンペ。赤レンガ工場のリノベーションです。締め切りは9月15日。ちなみに審査員は今売れっ子の中村拓志氏。当該の赤レンガ工場は明治期に妻木頼黄(よりなか)によって設計された、元ビール工場から戦中に飛行機工場へと転用され後にコーンスターチ工場になっていた、などという詳細情報は中学のときの通学路だったのにはじめて知りました。不覚。

1ヘクタール(10000平方メートル)の広大な土地の一角を占め、その残りが今や住宅展示場になっているのですが、この場所まで含めたリノベーション案が望まれるということだと思います。夜間のライトアップはなかなか綺麗なもので、それでなくても町のランドマークとしての存在感があります。

ちなみにこの工場から少し西に行ったところに童話作家である新美南吉の記念館があります。「新家良浩建築工房」による波が打ったような半地下案。今となっては伊東豊雄氏の「ぐりんぐりん」(通称じゃないですよ)等で「埋めたり出したり」するプランは一般的になっていると思いますが、竣工当時(1994年だったかな。小学校高学年の頃です)としては結構奇抜でした。

環境の調和と形態の奇抜さとの間でうまくバランスを取っているように見えるし、山と道路に挟まれたこの土地においてこうした解決方法はうまくいっている方だと思っているのだが、内部の展示空間が打放しコンクリート仕上げなのがちょっと難か。近くにある新美南吉の生家や養家の木材の質感とのつながりがあまりにもなさすぎるのである。
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