萬福寺修復工事見学

しめきり前ギリギリにさらりと触れた「文化財建造物の保存修理現場見学」ですが、本願寺萬福寺同志社クラーク記念館、玉林院、知恩院のすべてに応募した結果、なぜか萬福寺に当選し(抽選だったそうな)、というわけで今日行ってきた次第であります。ちなみにこの見学、各所一日3回ずつあって定員はどれも25名。僕が行った3時の部は応募が25名というなんともしょっぱい情報からスタートしました(「当選」どころか抽選すらしてなかったわけです)。ほんとはクラーク記念館に行きたかったなんて、言えない。あ、でもクラスメイトのひょんなコネクションで今度本願寺の修復工事を見学できることになりそうです。友人は知恩院に行ってきたみたいなので明日にでも情報交換します。

さて、25名中のぶっちぎり最年少の座をかっさらってきた現場見学ですが、実はもうほとんど修理も終わってるようで、見えるところは結構すくなかったのでした。ただおじいちゃんおばあちゃんたちの貪欲な知識欲を垣間見れたことは面白かったです。これぐらいのアグレッシヴさがうちのクラスにも必要だ。ほんと担当の方は休むまもなく応答してました。僕も負けじといろいろ聞いてきました。

一応現場は写真撮影OKでしたが公開はNGとのことだったので、ここまで。「客殿」、「附中門」は修理完了(見えず)。ということで「侍真寮」と「附宝蔵」のみの見学。説明してもらった内容に関しては箇条書きで以下いくつか。

・客殿、侍真寮は全部解体してから組み立てなおしてます
・同じく、鉄筋コンクリートでつくった基礎の上に組み立ててます
・部材は、もとからのが7割、補足したものが3割(70%リサイクル)
・壁の漆喰部分をはがしていったら朱色の土壁が出てきたよ
・屋根は瓦からこけら葺きにかえたよ
・大工さんには若いヒト(30代くらい)もいるよ
・附宝蔵の土壁はほとんどコンクリートみたいに硬いよ、厚みも同じくらいだよ

解体時でのディスカヴァリーが保存修復に反映されています。ただ重要文化財なので根拠をつんで国に証明してみる必要があったみたいです。

山門の向こうに見えるあれは本堂じゃない、というフェイント。トリッキーな伽藍配置になっております。

山門の延長線上に天王殿

さらにその延長線上を進むと大雄宝殿。内部の小屋組みがまた不思議だった。

その奥に法堂。これまた奥にある成徳殿は見えず。
山門から成徳殿までの主要なラインが強調されています。このラインの両側にはいくつものお堂が配されておりますが、シンメトリーの効果はありません。中央部の強い幾何学性と対照的に結構ランダムな配置になっているように感じました。

ワイルドな雨仕舞。