映画

近所のレンタルビデオ屋で70円レンタルしてたので見た一本。

SMOKE [DVD]

SMOKE [DVD]

ウェイン・ワンの『SMOKE』。原作はポール・オースター
オーギーがポールにクリスマスストーリーを話し、その映像がモノクロで流れてエンドロールにスイッチする一連のラストにグッと来る。DVDのジャケ写はそのワンカットです。もちろんストーリーとしても素敵なのだけど、ここでは語るオーギーにゆっくりジワジワ寄っていくカメラワークも見もの。これはちょうどオースターが『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』というそのまんまの短編を書いているところで、原文がほぼそのまま映像化されてます。ちなみにこのお話はこの本で読むのがいいかと。
翻訳夜話 (文春新書)

翻訳夜話 (文春新書)

オースターといえばの柴田氏と村上春樹氏との訳を読み比べできるし、後ろには原文も載ってるのでおすすめ。ただオーギーが語り終わったあとからラストまでのいわゆる「おとしどころ」が結構読み取りづらい。ちなみに映画ではクローズアップと切り返しとが多用されていて、二人の表情がバシッと見えつつも、その表情が意味を押し付けないように配慮されているように感じた。悪く言えば「グレーになってる」けど。
そうそう、柴田元幸氏といえば最近こんな特集があった。
Coyote No.21 特集:柴田元幸が歩く、オースターの街

Coyote No.21 特集:柴田元幸が歩く、オースターの街

去年だけどね。ここで柴田氏訳の『City of Glass』が読めます。
シティ・オヴ・グラス (角川文庫)

シティ・オヴ・グラス (角川文庫)

版権の関係で出版にいたらなかった訳が日の目を見たといういきさつが、新訳のあとがきで記されています。