評価システムのこと

これは気になるな

大規模建築物がどれだけ環境に配慮しているか、を「建築主」に評価させるシステム 「CASBEE」(建築物総合環境性能評価システム)の話。100の評価項目をチェックして着工前に提出し、その結果に応じて5段階にランク付けされるというもの。そして住宅でもやるらしい。

どれだけ頑丈か、何年持つか、といったこれまでのものさしを相対化することで建物の見方やメディアの取り上げ方が多層的になる(かもしれない)という意味では有意義だと思うけど、そもそも各敷地にはそれぞれ固有の問題があってその処理方法にもヴァリエーションがあるはず。それが100の評価項目によって後回しにされそうで怖い。しかも住宅ローンにも響くとなると、逆にもっと厄介にもなりかねない。環境への配慮はもちろん大事。なのだけど「法」的モデルによって「アーキテクチャ」を操作しようとするシステムのいやらしさがちょっと気になる。
おまけに

景観を構成する約40の要素を評価し、それぞれの住宅ごとに採点する。例えば「評価対象の住宅に面した道路で、一定面積に占める緑の割合が60%以上であれば10点、10%未満であれば零点」と計算する。

どうかブラックジョークであってほしい。
あとこんなのも

続々と解体の危機を迎えるかつての建築物を公共的観点から評価するシステムの必要性が最後らへんで橋爪氏によって訴えられる。使われなくなった建築物を意固地になって残すのにはあまり賛同できないけど、これらの建物に「客観的」評価基準が求められるというのは一種の文化的窮状を象徴的に示している気がします。