広島京橋会館

1954年竣工。日本ではきわめて珍しい「ロ」の字型集合住宅広島の「京橋会館」のこと。

集合住宅なのでちょっと場所の明記は避けますが、この辺です(航空写真だと中庭がちゃんと見えますね)。

立体的な案内板っていうのも珍しい。台形だけど「ロの字型」。真ん中の中庭が大事なのだけど、今は駐車場になってます。

北面

東面

南面

ちなみに日本における「ロの字型」プランとしては、他にも幕張のパティオスなんかがあります。


まあ見事に沿道型。こうしたプランの集合住宅は道から洗濯物が見えづらいという点にポイントがあるでしょう。そして共有廊下が中庭側に位置するというところも特徴的。セキュリティ的な面だけじゃなく、ドアを開けるとまずヴォリュームに囲まれた庭が見えるという感覚はなかなか有難いと思う。まあ京橋会館の場合は駐車場になってしまっているのだけど。

それから忘れちゃいけない「ロの字型プラン」としては、京都にある「新風館」もありますね。まあ集合住宅じゃないのですが。

1926年に竣工した吉田鉄郎(逓信省)設計の「京都中央電話局」が、2001年に、NTTファシリティーズとリチャード・ロジャーズ・パートナーシップ・ジャパンとの設計によって改修されたのが「新風館」。ただ京橋会館が今後改修されたりリノベーションされたりして残ることは難しいかもしれません。広島駅に比較的近い敷地を考えると、普通に敷地きっちりボリューム型の高層集合住宅で容積を稼いだほうがペイできるからです。味気なくなりますが。

中庭が駐車場になってしまっている、というところに、中庭の哀愁を感じます。