読書会の続き

28日、打ち合わせついでに読書会の続き。以前からちょくちょく挙げてきた例の部分のこと。

ここでの「Superhighway」は「建築家」「コンテンツ・マネージャー」を指し、「Supertraffic」は「量」を指すことじゃないかと指摘していただき、腑に落ちる。つまりここでの「the ones」は「交通量」ということになります。「過剰渋滞のみが高速道路を正当化し、そのインフラにオーダーを与えるとされるもの(交通の量)は、その流出量もまたそれに影響を与えるのであって、そのインフラが効率的に動くだけのキャパシティを要すのである」みたいなことになる。この理解ならば、「challenging」を「要す」と訳す場合の「主語には人でなく物が来る」という慣例にも沿う。ただいまひとつ分かりづらい文なのでもうすこし推敲が必要か。

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29日、ご近所さんの建築ドローイングを展示されてる「石屋町ギャラリー」さんへ。
ここのオーナーである指山さんが「QueryCruise」五十嵐さんの会の受講生さんだったことからお知り合いに。まさかご近所でギャラリーを持たれ、なおかつピンポイントに建築ドローイングを専門とされているとは!という感じだったので、一度ゆっくり拝見させていただこうということでお邪魔してきました。なお指山さんには急なお願いにも関わらず建築系ラジオの収録にご協力いただき、そのときの様子がすでにアップされてます。

それにしてもまあすごかった。固有名を挙げていくときりがないので羅列はしないです。個人的に一番の収穫は、当時のヨーロッパ勢、もちろんミースも、が影響を受けた、1910年代にライトがヨーロッパ合宿して出版した「ヴァスムート・ポートフォリオ」を見せていただけたこと。1924年に公表されたミースの田園住宅における平面図の表現(とりわけその構図)はちょっとライトの紙面構成に影響を受けているんじゃないかなーと思ったりした。

1924 レンガの田園住宅案平面図
余白のあけ方とか。比較対照がないのでなんともいえませんが。

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30日、オープンラボ。
ドア開けておきますので、よかったら来て下さい的な試みを「オープンラボ」と称しておりまして、今日がその第一回目。告知も少なかったのでまさか人が来るとは思っておらず、のんきに構えていたらなんと電話が鳴る。フライヤーを見て来てくださった主婦の方がお客様第一号となりました。びっくり。実は今の専門学校の先輩であることが後に発覚する彼女の行動力はすごく、元設計事務所勤務はもちろん、いくつかのオープンデスクを経験されているということもあり、組織のあり方なんかについてお話しする。
具体的に彼女が魅力的だと思ったのは千葉学さんの事務所だったそうだ。各プロジェクトを抱える個々の所員がオープンデスク生を指導しながら仕事を進め、夜には全体ミーティングを開き事務所の方向性を調整、物件が完成したときはオープンハウス(少なくとも所員のみの見学会)を催して担当者によるレクチャーが行われるらしい。後輩はこうした中で先輩に収まりを聞いたり、法規的なディテールを学んだり、苦労した点をうかがったりするとのこと。教育を軸にしたシステムがうまく稼動している様子がイメージできる。責任の持たせ方がすごく肝なんじゃないかと思う。