リトルワールドにて

小屋組み観、というものがあるとすれば、マイ小屋組み観がが変わった瞬間がこの前あった。リトルワールドで。

ポリネシア サモアの家 という
外側から見るとなんてことのない円形の小屋だ。石段が積層する接客用の小屋。ちょっと小ぶりに見えるかもしれないが、割と大きい。だが問題はそこではなく。

壁がまったくなく、雨風が強いときはすだれをたらすらしい。てかすだれで強風ふせげるか?
小屋組みがこうなっていることだ。傘のような骨組みをぼんやりと想像していたら、あろうことか材はゆっくりとカーブを描きながら横に走っている。すり鉢状の競輪場に思いを馳せたくなるほどに横に。屋根の縁に近づくにつれ大きくなっていくカーブ。工法自体はやや荒めだが、これはちょっと優雅でさえある。なんとも伸びやかなのだ。客席に近い縁のところをゆーっくりとウィニングランする競輪選手のみたて。一方で頂点に近いカーブはやや窮屈そう。材のポテンシャルを生かしきれてないようにも思えてくる。もし仮に傘のような骨組みだったらば一つ屋根の下でこんな複雑な感想は抱かなかっただろうな、どの材も比較的等価に見えるわけだから。
ちなみに、サモアの家屋の全てがこういう屋根の掛け方ではない。そうではないけれども、こういう屋根の掛け方をする人が少なくともサモアにはいた、ということに対してほんとうにびっくりした。びっくりしたし、それ以上になんというか、そわそわした。小屋組みをみてかっこいいなと思ったことはあるけど寺とかで、でもそわそわしたのははじめてだな。リトルワールドはこれを体感するだけでも価値があると思う。そわそわしに、いってみてください。