岩倉実相院

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先月、地元から友人が京都に来てくれたので貴船流しそうめんを食べに行った。川の上に床を置いたその名も川床での流しそうめん。やや寒い。夏に来てたら気持ちよかったよね、と来るべき季節に思いを馳せながら婉曲に賛美する。少し待って着座。並行する2レーンのそれぞれが前と後ろとに分かれており、そこに4組の人々が正対する。一列になっているので正しくは前・前、前・後、後・前、後・後。後ろ側手前に着座。前の人たちが取ってしまえば後ろの人にそうめんが行き渡らないのではないか、後ろの人は損なのではないか、と思われる向きもあろうが、レーンとは別のパイプのようなものでショートカットしたそうめんがピンポイントに後ろの人たちに行き渡るようになっている。常にそうめんがオン・レーンしている状態を想像していたところ、実際には球のような状態でボコッ、ボコッと出てきた。バッティングセンターのようだ。意外に盛り上がる。

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貴船では以上のようなことがあった。その前にどこかへ寄ろうかということになっており、岩倉実相院に行くことにした。いつもバスの行き先表示でしか見たことがなかったから気になっていたのだった。

鉄骨で

丸太で

斜め材まで
補強材のむき出し。内部にも補強材。門跡寺院なので檀家さんがおらず、重要文化財の指定もないので修繕費用がまかなえないそう。もちろんきれいになってくれた方がいいと思うが、肌の奥に鉄の皮をかぶせるよりもこちらのほうに惹かれる。この補強材は現実。好むと好まざるとに関わらず。肌の奥の鉄の皮もまたひとつの現実。売店で抹茶飴を買う。ここはつるつるの床面に庭のみどりが映える、その名も床みどりがよい。曇りだったので反射はもうひとつ。深く突き出た庇の下が気持ちいい。庭の向こうには茶室が見える。ここへは入れない。