辰野と曽禰、シュペーアと谷口
建築家のノンフィクションが面白かった話。
- 作者: 東秀紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
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- 作者: 東秀紀
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2000/09
- メディア: 単行本
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ひとことで言えば、彼らは主人公をアコガレのまなざしで見る。事実関係はどうあれ、そこでの役割はライバルだ。彼らは主人公を理解しようとし、近づき、惹かれ、若干嫉妬する。彼らの目に映る主人公と、主人公そのものとの齟齬にこそこれらの話を推進していく動力がある。と思う。
なぜなら、ここでの賭け金こそが主人公であり、賭けられているものは時代だからだ。片や西欧化がシンポだと信じ、その信念が時代の流れと共に疑義に呈されていく日本。片やみんなで望み、望んだものの実現とその帰結とによってまたみんなが悩まされた独裁体制下のドイツ。状況の中で揺らぎ、内面もまたそうである建築家と、そして彼をまなざす建築家との、すれ違う像越しに彼らの時代がなまなましく浮かんでくるようだった。
というわけで、この二冊では個別のプロジェクトにどうやって挑んだのかはあまり触れられていない。もしそれに不満であるならば、平松剛さんによるノンフィクションがおすすめです。
- 作者: 平松剛
- 出版社/メーカー: 建築資料研究社
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 平松剛
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/06/10
- メディア: 単行本
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