普天間の跡地

最近聞いたことと思ったこと。沖縄の話。沖縄は他の都市とは違った成立の仕方を経て現在見えているものになっているらしい。端的に言えば、米軍が軍用の土地をとったあとで都市ができあがってきた、とのこと。基地が都市に割り込んできた、というわけではないようだ。その意味で沖縄に基地がある、という意味は結構根深い。


いまケンケンガクガク議論がなされている米軍基地問題に関しては不勉強なのでいかなる一家言ももっていないのだけど、素朴な疑問がひとつある。普天間基地が空き地になったあと、その場所はどうなるんだろう、ということだ。約480ヘクタール(10000平方メートル:100メートル×100メートル/1ヘクタール)もの大きな敷地、それもたくさんの意味と、物理的な起伏を残したこの場所をどうするのだろう。



マップで見てもおおきい、あまりにもおおきい


トッピな連想として、元防衛庁跡地を開発した東京ミッドタウンが浮かんでくる。でも普天間跡地とこの例との違いは、土地の所有権が国ではなく民間にある、ということ。もちろん面積も50分の1くらい。民間、そして大規模、あと少しミッドタウンからということでショッピングモールが第二の連想。ところで、日本で大きなショッピングモールでも10ヘクタールを超えないようで、世界的に見ても50ヘクタール前後。480ヘクタールはあまりにも広大なのだ。そんな広大な敷地がある時期以降、しかももうそろそろ、空く。それをチャンスだと思うひともたくさんいる。


でも先にも少し触れた通り、沖縄の基地は穴じゃないし、つまり沖縄という都市は欠けているわけじゃない。そのようにできたのであって、その「そのように」のなかに、幸か不幸か基地は不可欠のもののはず。そうした物理的環境をどうすることで、その記憶にどう向き合うのだろうか、という疑問。普天間継続の選択肢もなくはないようなので、こうした疑問は用なしにもなりそうだけど。