素材と造形の歴史
- 作者: 山本学治
- 出版社/メーカー: 鹿島出版会
- 発売日: 1966/08/30
- メディア: 単行本
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世界中がミースの空間を均質だの普遍だなんだと騒いでいる最中、山本氏は彼の空間構成の仕方は非普遍的ではないかと注意をうながす。このロジックも本書をあわせて読むと分かりやすい。社会的機能と技術とのインタラクションとは各々の影響をフィードバックしながら進んでいく動的なものである、ところがミースは当時の社会的機能や技術をむしろ既定のものとして静的にとらえているではないか、と。こう考えると山本氏は、当時「均質空間」「機能主義」とともに語られていたミースの空間に内在する、彼のフェティシズムともいえる何かに気づいていたのかもしれない。
山本氏が機能=社会的ニーズとしてとらえているところ、あと彼のミース批判の妥当性の範囲に関してはちょっと気になるけど。